イタリアの黒いお酢「バルサミコ酢」

世界の黒いお酢と言えば、日本の黒酢に中国の香醋そしてイタリアのバルサミコ酢が有名です。
ここではイタリアのバルサミコ酢とはどんなものなのか、また同じ黒酢でも日本の黒酢とどう違うのか、どんな使われ方があるのか、そして黒酢はバルサミコ酢の代用が(その逆も)できるのかをご紹介します。
※日本の黒酢に関しては「黒酢記事一覧」の黒酢の基礎知識をご覧ください。
香醋に関しては「中国の黒酢」をご覧ください。

【目次】

バルサミコ酢とは?

バルサミコ酢の歴史は古く1000年以上前からバルサミコ酢は作られていると言われています。

「バルサミコ酢」は商品名でありながら、限られた地域でのみ生産されたものしか「バルサミコ酢」と名乗ってはいけないことをご存知でしたでしょうか。

バルサミコ酢はイタリアのモデナとレッジョ・エミリアという隣町同士の近隣に限られた所でのみ生産されます。
1986年にイタリア政府はまがい物を生産させないためバルサミコ酢の保護法を制定し、法律によって「バルサミコ酢」の名称、生産地や製法は規定が設けられました。

また、イタリアのみならずヨーロッパのDOP(原産地名称保護制度)へも指定されたことによりモデナとレッジョ・エミリ地区はバルサミコ酢の生産地としてイタリア、ヨーロッパの国で保護されています。
その中でも最低12年以上熟成させることや酸度、糖度の規定があるなど世界最高級のバルサミコ酢といわれる‘アチェート・バルサミコ・トラディツィオナーレ’はその希少価値から「バルサミコの奇跡」とも呼ばれています。

●バルサミコ酢の原材料

バルサミコ酢は赤ぶどうと白ぶどうの2種類の品種から作られます。

まず、赤ぶどうは"ランブルスコ"という品種でモデナ地方で主に生産されています。
ランブルスコで作られたワインは味が甘口から辛口まであり、微発泡性ワインが作られる品種として有名な赤ぶどうです。

もう1つが、白ぶどうの"トレビアーノ"という品種で、酸味が強く、フルーティーなさわやかな味わいが特徴の白ぶどうと言われています。

この2種類の品種のぶどうからバルサミコ酢は生産されます。

●バルサミコ酢の製造方法

作り方はとてもシンプル。

ぶどう果汁を煮詰め、木の樽に仕込んで自然発酵させ製造していきます。
作業工程はとてもシンプルなのですが、法律によって熟成期間や糖度、酸度などの品質に細かく規定が設けられている為、手の込んだ調味料になります。

法律による厳しい品質基準がある為、出来上がりにバラつきはなく甘さや酸味がしっかりとしたバルサミコ酢が出来上がります。

●バルサミコ酢の特徴

イタリア語で「バルサミコ」は"誇り高い・香り高い"という意味を持ち、イタリアでは料理の仕上げに欠かせない調味料となっています。

17世紀ごろには、食用の他に消炎作用や疲労回復効果のある薬用としても評価が高かったと言われています。

その他にも、バルサミコ酢は他のお酢と比較しても長い熟成期間をかけて製造される為、水分量は少なくなり抗酸化作用に優れたポリフェノールが凝縮され、血行促進、老化防止効果が期待できるようになります。

バルサミコ酢と黒酢の違いは?

バルサミコ酢と色が似ていることで日本の「黒酢」がバルサミコ酢の代用になるのか?という質問がありますが、ここでは「バルサミコ酢」と「黒酢」の違いを紹介します。

まず、バルサミコ酢の原材料はランブルスコとトレビアーノというぶどうの‘ぶどう果汁’でしたが、黒酢は米(玄米)に大麦、または小麦が原材料となります。

製造方法は異なり、自然発酵させるバルサミコ酢とは異なり、市場に手ごろな価格で出回っている黒酢は人工的に空気を送り込み、発酵を促し製造されます。(通気発酵法(深部発酵法))。※鹿児島の壺造りの黒酢は自然発酵
他にも、金属容器に米と酢を入れゆっくりと流動させながら3カ月ほど期間を置く製法もあります。(静置発酵法(表面発酵法))。

このように原材料と製法が違うほか、熟成期間も違います。

バルサミコ酢は熟成期間が長い分、栄養が凝縮され、血圧に大きく関わるカリウムやナトリウムは多く、カリウムを非常に多く含むことから降圧効果も期待できます。
その他、骨質を高めるカルシウムを多く含むことが解ります。
バルサミコ酢と黒酢は同じ「酢」であるものの原材料だけでなく、栄養価にも大きな違いがあることがわかります。

栄養価は以下のようになります。

  バルサミコ酢 黒酢
エネルギー(kcal) 99.0 54.0
水分(g) 74.2 85.7
たんぱく質(g) 0.5 1.0
脂質(g) 0.0 0.0
炭水化物(g) 19.4 9.0
ナトリウム(mg) 29.0 10.0
カリウム(mg) 140.0 47.0
カルシウム(mg) 17.0 5.0
リン(mg) 22.0 52.0

※バルサミコ酢、黒酢とも100g

黒酢でバルサミコ酢は代用できるのか?

原材料という根本的な違いはあるものの、黒酢はお酢(米酢、穀物酢)よりもコクや味に深みがあり、バルサミコ酢の代用品として活用が出来ます。

もちろん、黒酢のみではバルサミコ酢と同じ味ということにはいきませんが、酸味、甘みとフルーティーな香りをプラスすることでバルサミコ酢の味に近づけることができます。

① 黒酢 + 果実酒
バルサミコ酢のように甘みを出すには少し甘めの果実酒と合わせると近づけることができます。
しかし、そのまま使うとアルコールが入ったままなので肉料理や火を通したバルサミコ酢風ソースとして代用可能です。

② 黒酢 + とんかつソース
とんかつソースには色々なフルーツが入っている為、フルーティーな感じを出すことが出来、バルサミコ酢に似たフルーティーな味を引き出すことができます。

③ 黒酢 + 白ワイン + シロップ
フルーティーなぶどうの香りと熟成された甘みを出す為、ブドウから作られる白ワインと甘みを出すシロップで黒酢に香りと甘みをプラスし、バルサミコ酢へ近づけることが出来ます。

一方、黒酢をバルサミコ酢で代用したい場合は甘みを減らし、酸味を加えると近づけることが出来ます。
コクや深みはバルサミコ酢のほうがある為、類似品にするのは難しいですが、バルサミコ酢にりんご酢を加えるなどをして、酸味をプラスしてあげることで黒酢に近い味を出すことが出来ます。

バルサミコ酢の使い方

日本料理ではなかなか使い慣れない調味料なのでどのような使い方があるのかご紹介いたします。

バルサミコ酢は熟成年数が長いほど香りに深みがあり、味にコクが出ます。
そのまま使う場合は、酸味が少し残るので「サラダドレッシング」や、甘味などにアクセントを持たせる「甘味ソース」として使用できます。

特に、甘みのある野菜と相性が良く、ポテトサラダにかけることで、いつもと違うコクのあるポテトサラダを味わうことが出来ます。

また、バルサミコ酢は少し熱を加えることで、酸味がマイルドになり、甘みが増して感じられます。

肉料理との相性が非常によく、加熱したバルサミコ酢のソースにより甘みのあるステーキなどが味わえるようになります。

このように"和える、焼く"料理のアクセント調味料として手軽に使うことが出来ます。

まとめ

イタリアで生まれたバルサミコ酢は生産地、製造方法、出来上がりの酸度や糖度が国の法律に守られ作られています。

特に最高級バルサミコ酢と言われる‘アチェート・バルサミコ・トラディツィオナーレ’はバルサミコ酢の中でも秀抜な調味料といえ世界で愛されている調味料です。

興味を持たれた方はバルサミコ酢をこれからいろいろな料理に試してみてはいかがですか?

世界の酢の味を知ることで「酢」の味のレパートリーが広がります。

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