黒酢と一般のお酢との違い

黒酢が食酢の中での知名度をあげてきて、これまで家庭でなじみの「酢」(穀物酢、米酢)との違いは?という質問がよくみられます。
黒酢も米酢も同じ穀物酢に分類されますが、見た目以外にどのような違いがあるのでしょうか?

【目次】

黒酢と一般の酢の一目でわかる違いとは?

それは「色」。
家庭で使われる「穀物酢」「米酢」が薄黄色なのに対し、黒酢は褐色です。
この黒酢の色は黒酢に含まれるアミノ酸と糖との褐変反応(メイラード反応あるいはアミノカルボニル反応とも呼ぶ)によるものです。
この化学反応により褐色色素メラノイジンが生成され、褐色になるのです。

褐変反応は黒酢だけに起こる現象ではありません。
味噌や醤油の色、クッキーの焼き色もこの反応によるものです。
メイラード反応は褐色物質だけでなく、香味成分をも作り出します。

そのため、一般のお酢よりも独特の香り(まろやか、豊かなといった形容)が黒酢にはあるのかもしれません。

メイラード反応やメラノイジンの生理機能に関することは「黒酢が黒い理由」をご覧下さい。

黒酢と一般の酢の原材料やアピールのされ方

黒酢も米酢もJASでは【穀物酢】に分類されます。
【穀物酢】の中で原材料やその使用量の違いなどによって、食酢品質表示基準によって 「米酢」「米黒酢」「大麦黒酢」に分類されます。
食酢の分類は「酢の種類」をご覧ください。

【穀物酢】
原材料として穀類を1種又は2種類以使用したもので、その使用総量醸造酢1Lにつき40g以上のもの
【米酢】
米の使用量が穀物酢1Lにつき40g以上のもの
【米黒酢】
原材料として米(精白したものを除く)又はこれに小麦もしくは大麦を加えたもののみを使用したもので米の使用量が穀物酢1Lにつき180g以上であって、発酵及び熟成によって褐色又は黒褐色に着色したもの
【大麦黒酢】
原材料として大麦のみを使用したもので、大麦の使用量が穀物酢1Lにつき180g以上であって、発酵及び熟成によって褐色又は黒褐色に着色したもの

大手メーカーの穀物酢・米酢・黒酢の原材料や各酢がどのように紹介されているのか見てみましょう。

穀物酢

●ミツカン
原材料:小麦、米、コーン、アルコール、酒かす
紹介文:すっきりとした味わい
●タマノイ
原材料:米、アルコール、酒かす
紹介文:ここちよい酸味とフレッシュな味わいで、素材の持ち味をいかし、お料理をさわやかに仕上げます。白身座かなや野菜など、白や緑の食材によく合います。
●マルカン
原材料:米、コーン、アルコール、酒かす
紹介文:すっきりとしたまろやかな酸味は、和・洋・中幅広い料理にお使いいただけます。

米酢

●ミツカン
原材料:米、アルコール
紹介文:お米の甘みとうまみを生かしたまろやかな味わい
●タマノイ
原材料:米、アルコール
紹介文:黒酢が入って深い味わいになりました。豊かなコクと香りで、いつものお酢料理をグレードアップ。酢の物に最適です。
●マルカン
原材料:米、アルコール
紹介文:お米のおいしさを生かしたまろやかな酸味のお酢で、お料理の持ち味をひときわ引き立てます。

黒酢

●ミツカン
原材料:国産玄米
紹介文:毎日続けられる、飲みやすいまろやかな酸味
●タマノイ
原材料:米
紹介文:独自のブレンドでお料理に使いやすい黒酢をつくりました。煮込みや料理の炒めものの仕上げに加えると、豊かなコクとまろやかさが、お料理を本格的に仕上げます。
●マルカン
原材料:国産玄米
紹介文:黒酢には米酢に比べアミノ酸などの成分が多く含まれ、独特の豊かなコクや風味を造り出しています。中華料理など火を使うお料理に加えるとコクと旨味が広がります。
●坂元醸造(鹿児島の壺造りの黒酢の醸造元)
坂元のくろず(商品名)※坂元醸造の数種類の黒酢商品のなかから代表として
原材料:米
紹介文:まろやかでコクのある風味は、良質の原料から生まれるアミノ酸、有機酸等によるもので、長期間の熟成により味わいふかいものとなります。

※黒酢の原材料で米となっているところがありますが、食酢の公正競争規則及び同施行規則で原材料の記載方法が定めらえれているため、玄米を使用していても「米」と表記するのが適切なのだそうです。しかし、玄米と記載しても構わないそうです。
(全国食酢協会中央会のQ&Aより)

各商品は下記のところから取り上げさせていただきました。
ミツカン:お酢の種類より
タマノイ:商品情報(お酢)より
マルカン:家庭用商品より
坂元醸造:商品案内より

穀物酢の原料に米、小麦、コーン、米酢には米といった穀類がはいっているのはわかりますが、 アルコールが入っているのはどうしてでしょうか?

米だけで酢を1Lつくるのには米120g以上が必要だそうです。
しかしJAS規格では酢1Lにつき米40gを使用していれば「米酢」と表記できます。
そのためアルコールなどを添加して補っているのです。

米酢でも米だけで作っている米酢は純米酢と表記されます。

この原料のアルコールですが、 製造過程で酢になるので(できた酢のアルコール濃度は0.2%程度と微量)子どもや妊婦さんでも特に問題はないとのことです。
(ミツカンお客様相談センターより)

酢の作り方―鹿児島の壺造りの黒酢と一般の酢の製造方法の比較

酢は「原料の糖化」→「アルコール発酵」→「酢酸発酵」の過程を経て作られます。
これは米酢にしろ鹿児島の壺造りの黒酢にしろこの過程に変わりはありません。

一般の食酢がアルコール発酵のためには酵母を、酢酸発酵には酢酸菌をと各工程に沿って必要なものがあればその都度手を加えるのに対して、鹿児島の壺造りの黒酢は壺に原材料と麹、水を仕込むと屋外に置いて自然発酵させます。

鹿児島の壺造りの黒酢は、鹿児島県福山町の環境と壺の中の微生物の働きで、ひとつの壺のなかで「糖化」「アルコール発酵」「酢酸発酵」が行われる世界でも希な製造方法なのです。

黒酢と一般の酢との味の違い

酸味の代表格である「酢」。
黒酢も米酢や穀物酢もその酸味の元は酢酸です。

おなじ穀物酢の仲間で主成分は酢酸であるのに、何故一般のお酢よりも黒酢のほうがまろやかでコクがあるといわれるのでしょうか?

味の決め手は原材料と使用量が原因のようです。

●米酢
1Lにつき米40g以上
●黒酢
1Lにつき米(精白したものを除く)180g以上
※鹿児島の壺造りの黒酢はうるち種の玄米又はうるち種の精米歩合の高い米(=精米歩合91%以上)
精米歩合:玄米が白米になる割合。精米歩合の数値が低いとより高度に精米されている

酢に含まれるアミノ酸は原料の米のたんぱく質が発酵・熟成される過程で分解されてできます。
黒酢の原料は玄米や精米歩合の高い米なので米酢で使用される米よりもたんぱく質が多く、かつその使用量も米酢に比べ4.5倍と多いので、おのずと米酢よりも黒酢のほうがアミノ酸の含有量が多いということになってきます。

アミノ酸は食品に旨味・酸味・甘味・苦味を与える成分です。

「コク」とは味の深みや厚み、複雑な味わいを表す時につかわれます。
黒酢はこのアミノ酸によっていくつもの味の成分が含まれているので、まさに黒酢の味を表すのに「コク」があるという表現がぴったりとあてはまるのです。

食品の香りも人の味の感じ方に影響を及ぼすものです。

上記でも述べたように、黒酢の黒い色をつくりだすアミノ酸と糖との化学反応(メイラード反応)は色だけでなく、 香味成分も生み出します。

黒酢のアミノ酸の含有量の多さは味と香りという面から黒酢のおいしさを際立たせているのです。

黒酢と一般の酢では料理での使い道が違う?

食酢を使う料理で黒酢と一般の酢を使い分ける必要はあるのでしょうか?

上記で黒酢と一般のお酢の違いを見てきました。
確かに、黒酢の原料やその使用量の多さから味に作用するアミノ酸が他の酢よりも多く含まれていることが分かります。

しかし料理において使用する調味料が酢だけというものは少ないのではないでしょうか?

料理の味というものは、「甘酸っぱい」、「辛酸っぱい」と酢と他の調味料との組み合わせで作くられていきます。

料理において味の決め手の調味料が酢の場合、「やっぱりこの料理は●●酢」じゃなければとこだわられる場合があるかもしれませんが、このレシピには米酢●mlって書いてあるから、米酢を買わなきゃ、黒酢って書いてあるから黒酢を買わなきゃと縛られずにお家にある酢を気軽に使って酢の料理を楽しんでみてはいかがでしょうか。

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